SCHEC/NPO法人/カンボジアの健康及び教育と地域を支援する会 寄付・入会・資料請求はこちら
SCHECの歩み
活動内容
支援方法
活動レポート
ボランティア体験記
入会案内
カンボジアの軌跡
カンボジア歯科診療室
メディアリポート
理事長のご挨拶
役員一覧
会員のみなさまへ
お問い合せ
≫HOME ≫カンボジア歯科診療室 ≫参加者が見た歯科事情 ≫歯科活動レポート 宮田匡人さん
特徴実績Q&A参加者が見た歯科事情活動風景
参加者が見た歯科事情/歯科活動レポート(歯科医師)
「印象的だったカンボジアの子どもたちの姿」
歯科医師 宮田匡人さん/2006年歯科診療活動参加
カンボジアの子どもたちの我慢強さは治療をしていて本当に助かりました。
 私がカンボジアへのボランティア活動に参加しようと思ったきっかけは、歯科の世界に入りまだ研修医で何もできない自分だけど役に立てることはないかなと思う気持ちでした。また歯科領域の話をみんなと話していても、歯科の本を読んでいても、ヨーロッパやアメリカなど先進国の最先端の話を耳にするだけで発展途上国などの話は耳にすることが少なかったです。私自身、海外には先進国といわれる場所にしか行ったことがありませんでした。だから好奇心と何かできることはという気持ちで参加しました。

 私のなかでのカンボジアのイメージはかなり貧富の差があり、飢えで苦しんでいる人が道沿いに見られるようなところを想像していたし、家族やまわりの友だちからは行くのはいいけど感染や腹痛に注意するようにと口うるさくも言われたりもしました。しかし実際に行ってみると空港はできたばっかりだし綺麗になってもいました。また道沿いにも飢えで倒れている人も見られず想像していたのとは少し違いました。

 到着したらまずボランティアで寄付された道具やエプロンにするタオルなどの準備から始まり、タオルを数えて適度な大きさに切る作業がありました。準備ができたらバスに乗り治療場所に移動しました。そこで用意されているのは椅子と机で、机の上にボランティアで集められた治療道具をおき椅子に患者さんを座らせて太陽の光をライトとして行うものでした。

 今まで写真などで野外の治療風景を見たことはありましたが思った以上に暑く、また治療体勢もいつもはやらない体勢で光も十分にあたらないなど、なかなか研修医の自分としては困難でした。またできる治療内容としては抜歯、グラスアイオノマー充填、アマルガム充填の3つとTBIの予防だけでした。また患者さんの要望でC3以上などはほとんど抜歯になってしまいます。ひどい時にはC2程度や軽度のPでも患者さんの強い要望で抜歯せざるをえない状況にもなってしまいます。

 それはまだまだ貧富の差が大きな理由になっています。カンボジアでは日給2ドルくらいであり、抜歯を地元の歯科で行う場合は10ドルくらいかかってしまいます。そのため自分のなかで葛藤がありながらも抜歯を行ったりしないといけないのがつらかったです。しかし抜歯をするときも小さい子どもたちは涙一つも出さなく我慢強い子が多く、抜いたあともニコニコしながら遊んでいる子どもたちがたくさんいました。またいろいろな道具をみて興味津々で仕方ないという風景も見られ、たくさんのエネルギーを得ることもできました。今、飽食の時代でもある日本には見られなくなりつつある傾向かなとも思いました。

 今回カンボジアに来て治療内容に悩むこともありましたが、この発展途上国ならではのすごいエネルギーにあふれている国であることもわかりました。医療の世界で先進国ばかり見るのではなく、世界にはまだまだ貧しい国もあるということを忘れずに見ていかなければいけないと思います。これからも今回のようなボランティア活動に参加していきたいと思います。
このページのトップへ
SCHEC