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活動レポート
第29回SCHECカンボジア支援活動報告  16年11月
 11月18日〜24日まで、井戸・小中学校視察グループ28名、歯科診療グループ28名の総勢56名が参加して、SCHEC29回目となるカンボジア支援活動を行ってまいりました。
 カンボジアは、乾期が始まる11月になっても雨が残り、曇天の中、空とにらめっこしながらの活動でした。今回は井戸を120本掘り(通算2,820本)、小学校と中学校の2つの校舎を建設し、新たに歯科診療の重点地区を設けるなど、わずかな期間ながら充実した活動ができました。
▲新しい井戸に集まる村人たちとたくさんの子どもたち
120本の井戸を掘り、通算2,820本になりました

 井戸視察活動では、参加者のみなさんに、農家の軒先や稲の青々と茂った田んぼの風景の中を歩いていただき、井戸1本1本を回りながら、ライオン株式会社から提供いただいた歯ブラシを村人たちに配っていただきました。かつて一緒に回った歯科衛生士さんの「水がきれいじゃなかったら歯を磨く気にもなれないよね」の一言がきっかけで、数年前から歯ブラシを配っています。
▲寄付した島村様に国家再建勲章が贈られました
▲平井小学校の生徒から贈られた絵や写真を見つめる生徒たち
ラバック・ヒライ・サンキム小学校とスレノイ・アカサカ・サンキム中学校を建設し、「赤坂デンタルヘルスセンター」を開設しました!
 2016年4月に視察した場所に新校舎2校を建設しました。どちらも校舎が不足し、劣悪な教育環境で勉強せざるを得なかったところです。

*ラバック・ヒライ・サンキム小学校
(アンコールチョム郡ノコールピアス地区ラバック村)

 シェムリアップの町から北西方面に車で2時間ほど行った所にラバック小学校はあります。ラバック・サンボ・ロミアット・カチャーの4村合わせて約600世帯・3200名から468名の小学生が通っていました。ヤシの葉で葺いただけで、雨天には雨漏りに悩まされる仮設の“掘っ建て小屋”で勉強せざるを得ない状況でした。各世帯平均3人の子供がいて、今も生徒数が増えているとのこと。それまでの2校舎4教室では、午前午後の2部制でも間に合いません。
 ここに新たに鉄筋コンクリート5教室の校舎を建設しました。この校舎は東京都江戸川区立平井小学校の「創立90周年記念事業」の一環として、OBの島村佳孝様のご寄付により実現しました。島村様は50年も前、まだ大学生の時代にカンボジアを旅行され、その思いは深いものがおありでした。
 式典では5人の僧侶による読経の後、日本、カンボジア両国の国歌斉唱、来賓のあいさつと続き、島村様には「国家再建勲章」と表彰状が贈呈されました。テープカットのセレモニーの後、参加者みんなで教室に待機する子供たちに文房具を配り、島村様にはマンゴの苗木を植樹していただきました。
 11月16日の90周年事業に合わせて、ラバックの生徒たちが描いた300枚もの絵が平井小学校に展示されました。その展示の様子や6月の運動会を撮った写真と平井小学校の生徒たちが返礼で描いた絵を島村様が届けてくださいました。ラバック小学校の教室に貼られた写真を子供たちが食い入るように見つめていました。
▲スレノイ・アカサカ・サンキム中学校の新しい学舎
▲併設された「赤坂デンタルヘルスセンター」
*スレノイ・アカサカ・サンキム中学校
(ヴァリン郡スレノイ地区ワット村)

 シェムリアップの町から北へ約65q、車で2時間以上かかる国道沿いの中学校です。スレノイ地区は人口約2万人、4400世帯、16の村からなり、9つの小学校がありますが、面積が広く、それぞれの小学校は点在しています。政府の方針で、1地区に1中学校の設置が目標のため、家から最も遠い生徒は24qも離れており、バイクや自転車で通っています。
 教室数が足りないため、中学校に進学できない卒業生が多く、待機児童が約1,000名にもなるそうです。2016年4月時点の生徒数は2部制で、399名(1年210名、2年125名、3年64名)でした。
 少しでも待機児童問題の解消になればと、SCHEC会員で、早くから歯科診療に参加いただいた自治医大名誉教授の赤坂庸子様に新しい中学校をご寄付いただいたものです。赤坂先生はカンボジアの歯科診療活動の中で、歯科衛生教育や予防の必要を痛感されており、口洗用の水洗い場とともに校舎内に「赤坂デンタルヘルスセンター」を開設しました。今後、ここを拠点にスレノイ地区で継続的な歯科診療活動を行ってゆきます。
▲「よし&かおり」の日本の歌を聞いてください
*「よし&かおり」コンサート

 11月20日にラバック、21日にスレノイで行われた落成式典では、急ごしらえで結成された「よし&かおり」バンドが、よしさんのギターをバックに、かおりさんが「世界は二人のために」「マイウェイ」の2曲、よしさんが「上を向いて歩こう」を集まった生徒や村人たちに披露してくださいました。


*3中学校との交流

 今回も梶原九州男理事を筆頭に大分グループのみなさんが、過去に寄付した「コックトロックルー・サンキム中学校」「ワット・チクレン・サヨコ・サンキム中学校」「クナルトノン・ブンゴ・サンキム中学校」の3校の生徒と交流しました。古くからその油や樹液を利用して薬用石鹸やランプの油、薬などに用いられてきた、ファトロージャという木をそれぞれの学校に植樹されました。コックトロックルーで週2回行われている日本語講座も順調で、噂を聞きつけた他校からも要望があるそうです。
 因みに学校名につけられた「サンキム」はカンボジア語の「希望」の意味で、SCHECでは建設した学校にサンキムの名を付けさせていただいています。


*文房具やノート

 東京中央区の月島第二小学校を始め、6校の小中学校や幼稚園の生徒が文房具やノートを集めてくれました。全部で30sにもなり、カンボジアまで運ぶのに大変でしたが、もらった小中学校生たちは大喜びでした。
▲歯科診療チームは設備がなくても頑張っています
522名の歯科診療を行うとともに、スレノイ地区の口腔衛生事情を視察しました

 従来からのコックトロックルー・サンキム中学校のほか、ラバック・ヒライ・サンキム小学校、スレノイ・アカサカ・サンキム中学校で歯科診療を行いました。また、今後新たにスレノイ地区での継続的診療と歯科保健衛生の向上を図るために、スレノイ地区の小学校で口腔衛生事情を視察しました。


*コックトロックルー・サンキム中学校(11/20〜22)

 虫歯の治療や抜歯などの一般治療は3日間で100名診療し、歯の保存のために、噛み合わせた溝に樹液を流し込むシーラント処置を148名に行いました。2014年から始めて経過を見ていますが、2015年に行ったシーラントは大部分取れていたものの、虫歯にはならず、一定の効果があったようです。歯科衛生士による歯の磨き方指導で子供の虫歯も少なくなってきています。


*ラバック小学校(11/20)、スレノイ中学校(11/21、11/22)

 ラバック小学校では一般治療を82名に行いました。スレノイ中学校では2日間で192名の一般診療を行ったほか、5回に分けて、教師8名、生徒400名に口腔衛生指導を行いました。特に教師が口腔衛生の知識を学び、今後は教師を通じて生徒たちに口腔衛生教育が行われればと期待するものです。赤坂デンタルヘルスセンターに指導用口腔模型やイラストで説明したポスターなどの教材も寄贈しました。今後さらに充実させていきます。


*スレノイ地区の小学校3校視察(11/23)
 
 スレノイ中学校から9q離れたクナルトール小学校は全校生徒が130人で、ここの生徒は多量の歯石があり、また薄黒い着色がみられましたが、他の地域に比べて、永久歯も乳歯も虫歯も少ないようです。スレノイ中学校から3qにあるスレポオー小学校は全校生徒が265名。過去1回、アメリカのNGO団体に歯の磨き方指導を受けたそうで、虫歯は少ないものの、朝食前の歯磨きだけの生徒が大半でした。あいにく昼食時と重なり検診はできませんでしたが、スレノイ中学校隣のスレノイ小学校は生徒数900人のマンモス校で、今後の定期的診療が有意義となります。スレノイ中学校近隣の各小学校の教師に口腔衛生の知識を学んでもらえればと考えています。
SCHECは2017年で設立15年を迎えます

 SCHECは2017年にNPO法人の認可を受けて15年目になります。改めてSCHEC設立の原点に立ち返り、さらに充実した活動を図りたいと思います。第30回目となる2017年4月の訪問は4/22(土)〜26(水)を予定しています。今後ともみなさまのご支援、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
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